主人

全く好みのタイプではなかった主人だが、中身はとても優しくて愛情深く、私が病気になってから教会の御用、家事、子育てと全てをきりもりしてくれた。普通なら奥さんが精神の疾患にかかったら、離婚され、子供も父親に取られ、孤独に暮らすケースが多いのに、主人は私がどんなに酷い状態になっても見放すことなく支えてくれた。

そんな主人や子供たちに対して何もできないことが申し訳なくて、私の方から主人に離婚を切り出した。メールで「あなたはもっと健康な人と再婚しほうが幸せになれる。子供たちも今なら私のことは忘れて新しいお母さんになつくから、別れてください。」と。主人からの返事は「子供たちにとっては、お前は世界でたった1人のお母さんなんだよ。俺にとってもお前は世界でたった1人の女房だ。何もしなくていい。寝ててもいい。いるだけでいいんだよ。」だった。涙がとまらなかった。こんなに暖かい言葉をかけてもらったのは生まれて初めてだった。

それからも何度も自殺未遂、入退院を繰り返したが、家族みなで支えてくれた。

もし、主人と私が逆の立場だったら、あんなに深い愛情で夫を支えることができただろうか。否、私にはできないであろう。そう考えると主人はすごい人だ。こんな私を丸ごと抱えて22年も連れ添ってくれて。もう感謝しかない。