息子

女、女と続いて待望の男の子を授かった。三人目だから楽勝と思っていたら違った。男の子だから外で走り回って野球やサッカーなどのスポーツマンになってもらいたかったが、お姉ちゃん2人がお絵描きが得意で、息子も外で遊ぶより1人でお絵描きするのが好きだった。小学校に入ると息子の宿題を見るのが苦痛になっていった。姉2人はちゃんと順番通りに問題を解いてくれていたので、宿題もスムーズに終わった。しかし息子は違った。順番通りではなくあっちの問題をやったり、こっちの問題をやったりとなかなか前に進まない。私はイライラしてきて順番にやるんだと説明しても息子は言うことを聞かない。これ以上宿題の度にイライラするのは嫌だったので、主人に頼んだ。主人はイライラすることなく、男同士上手くやってくれた。

娘は同性であるし、何となく考えていることが読めたが、息子は何を考えているのかわからなかった。小さくても男なんだ、男の考えていることは永遠に女にはわからないのだろうと息子のことは主人に任せた。

それでも小学校5年生までは寝る前のチュウをしてくれたが、突然嫌がるようになり、頬に無理やりしていた。それも中学生になるとなくなった。日本では思春期だから仕方がないというけれど、海外ではスキンシップは当たり前。日本も当たり前のようにキスする文化があればいいのにと思う。

息子は3人の子どもの中で一番愛情不足だ。物心つく頃はもうすでに私が病んでいて、別々に寝ていた。小中学校の頃は、何度もODをして入退院を繰り返していた。受験の年の10月に家を出て主人と別居した。翌年6月には自宅に戻ったが、息子には寂しい思い、不安な思いをたくさんさせて本当に申し訳なかったと思っている。